id:llloolさんの「過去の妄想に対処する方法 - 瞑想集中治療室」を読んで、過去の妄想に対する経験と重なるところがありましたので筆をとってみました。
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目次
2つの妄想対応方法
こちらの記事では妄想の対応方法として、大きく二通り紹介されています。
一つはそのような感情に巻き込まれず受け流し、常に呼吸や体の感覚などに
戻るという方法。
もう少し詳しく説明すると、過去に対する妄想が生まれてきてもそれは
そのままにして気にせず受け流し、巻き込まれそうになったら気づいて
呼吸や体の感覚に戻るということを繰り返す方法です。
もう一つは、妄想を気づきと言葉によって中断させる方法です。
もう少し具体的に言うと、例えば過去のことを思い出しそうになったら
「妄想!妄想!」と強く気づきを働かせ同時に言葉で確認する(ラベリングをする)
作業を行ったり、その妄想がひどく、怒りが生じてきてしまった場合には
「怒り、怒り」と気づきを働かせながら言葉で確認し心を落ち着かせる方法です。
私はスマナサーラ長老の指導や、地橋秀雄氏の指導を受けたため「妄想を気づきと言葉によって中断させる方法」で長い間瞑想を実践していました。
初めて「受け流す」タイプの妄想への対応を聞いたのは数年前。
今は「妄想を気づきと言葉によって中断させる方法」に戻していますが、「受け流す」方法を知っていたことで気づいたこともあります。
根深くて認識できなかった欲に気付いた時の話
私の場合「うまくやってやろう」という欲がとても根深いのです。
欲が根深すぎて認識できず、無意識の内に「的確に確認のラベリングを入れる」が「早く、うまく妄想を撃ち落とす」に入れ替わってしまっていることがあるのです。
そういう場合いくら気付きを入れようとしても表面的な気付きしか入らず、いつまで経っても妄想が消えませんでした。
「努力」もいつの間にか「怒り」に置き換わっていたのですが、「うまくやってやろう」という欲を持っている心がそれを隠すかのように表面的な言い訳という名の妄想を次々と出してくるため、妄想に対する怒りにも気が付きませんでした。
そんな折、ふと「受け流す」やり方があること、また、ヴィパッサナー瞑想の目的は「心を綺麗にすること」であることを思い出し、その瞬間に「怒り」を認識できました。
あくまでもそのようなことがあった、というだけの話であって、ずっと教わった方法を正しく続けていれば、その内気付いたのかもしれません。
ただ「方法は複数あるんだ」と知っていたことによって一瞬こだわりが緩み、そのタイミングで「自分は今、どうやって妄想をみているのか」「今、何か気づいていない汚れた認識があるのかもしれない」と虚心に思えたことは確かです。
最後に
妄想の対応方法はヴィパッサナー瞑想を指導してくださる方によってやや違いがあります。
詳細については各指導者の方の書籍やお話を参考にして頂きたいのですが、地方などで頻繁に瞑想についての相談が出来ない場合もあります。
そんな環境では自分の観察手段すらも観察してみるぐらいの徹底的な客観視が必要なタイミングがあるのかもしれません。
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