ヒグコハ

子供と一緒に遊び、瞑想。

すぐに使える・選ぶ参考になる!マインドフルネス・ヴィパッサナー瞑想関連本10冊レビュー!

どの本を選んで良いか分からないあなたに!

マインドフルネス・ヴィパッサナー瞑想ブームが訪れて一気に増えた瞑想関連本、

私の読んでいる限りで瞑想手法について書かれた9冊を大胆にも比較してみました!

さらに、瞑想はどんな状態でも出来るという力強いメッセージを送ってくれる1冊を加えて10冊を今日は一挙にご紹介します!

 

 始めよう。瞑想:15分でできるココロとアタマのストレッチ (光文社知恵の森文庫)

始めよう。瞑想:15分でできるココロとアタマのストレッチ (光文社知恵の森文庫)

宝彩瞑想システム研究所所長の宝彩氏の著書。類似した他の瞑想本もあります。

基本はマントラを使用するサマタ系の瞑想。ちょっとだけラベリングあり。

ただ、マントラ自体の詳細な説明、印の組み方等詳細については触れていないので本当にお試しでやりたい人以外は物足りないかと。

後半部分はどちらかというと効果、良いことを書き連ねているため方法論ではなくなっている点が残念。

 

ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門―豊かな人生の技法

ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門―豊かな人生の技法

瞑想入門、と題打たれていますが実際の瞑想手順についてはほとんど書かれていません。

ヴィパッサナー瞑想の原点となっているブッダの教え、言葉をベースに章単位で人生訓と、末尾にゴエンカ氏と一般の方とのQ&Aがまとめられています。

瞑想における仏教的な考え方を全体的にまとめていますが、別の入門書で学んだ後に読むほうが良いです。

  ~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門

~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門

 

吉田昌生氏が書かれた本。以下の肩書きのように、ヨガよりの瞑想入門となっています。

日本ヨーガ瞑想協会 綿本ヨーガスタジオ講師 

(中略)

インドをはじめ35 カ国以上を巡り、様々な文化に触れながら各地の瞑想やヨガを実践する。

(中略)
ヴィンヤサヨガ、ラージャヨガ、ハタヨガ、陰ヨガなど、
アクティブなタイプのYOGAから静かな動きの少ないYOGAまで
すべての姿勢、動作、呼吸を瞑想として捉えた「瞑想」をベースにした
ヨガクラスを指導している。

付属のDVDはメディテーション用の音楽と共に、導入案内の為の詳細な手順を(多分、吉田氏の声で)ゆったりと説明してくれます。

呼吸法のコントロール(ヨガではあまり無い)、座り方、印の組み方などもイラストと合わせ、丁寧に説明されています。

後半では、他の仏教の瞑想法や、感情・思考への向き合い方についてをまとめ。

気付きの手法として仏教から瞑想を抜粋するとこのようになるという良い本だと思います。

仏教色に抵抗のある方・ヨガの心得がある方はこちらからがおすすめです。

グーグルのマインドフルネス革命―グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス(付録:マインドフルネス実践ガイドCD)

グーグルのマインドフルネス革命―グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス(付録:マインドフルネス実践ガイドCD)

入門書、ではないのですが一躍マインドフルネスを有名にした書籍として紹介します。

実際の瞑想手法は第七章、第八章のみで、それ以外は

  • マインドフルネスとは(第一章~三章)
  • 何故グーグルがマインドフルネスを取り入れたか(第四章)
  • その影響は(第六章)
  • なぜ、マインドフルネスが宗教性を排除したか(第五章)

で構成されています。

瞑想手法自体はイメージング、感覚の気付きによる瞑想です。

「なぜ、マインドフルネスが宗教性を排除したか」は一度読む価値あり!

プラットフォームとして、ありとあらゆる人が参加できるようにという理念はアメリカでこそ発生したものでしょう。

今日の宗教情勢を考慮すると理にかなった考え方。後述するティク・ナット・ハン氏の思想に強く影響を受けています。

ブッダが教える「生きる力」の育て方 子どもとできるマインドフルネス瞑想

ブッダが教える「生きる力」の育て方 子どもとできるマインドフルネス瞑想

ティク・ナット・ハン氏の説く「気付きの実践」を実際にプラムヴィレッジというフランスの瞑想コミュニティで子供向けに行っている様子を記した内容です。

DVDでは代表的な歩く、座る瞑想の他に食べる瞑想も紹介されてます。

また、子供達の気付きの実践として、水の入った瓶、小石、大地、オヤツ、自然の中で見つけたものなど、子供達の興味関心に合わせた多種多様なアプローチがされています。

自由な発想でマインドフルネスを楽しんで欲しいというティク・ナット・ハン氏の思想がぎっしり詰まった一冊です。

子供のいるパパママには一押しです!

 

自分を変える気づきの瞑想法【第3版】: ブッダが教える実践ヴィパッサナー瞑想

自分を変える気づきの瞑想法【第3版】: ブッダが教える実践ヴィパッサナー瞑想

日本テーラワーダ仏教協会長老のアルボムッレ・スマナサーラ氏が著者のヴィパッサナー瞑想の本格的入門書。

テーラワーダ仏教に基づく瞑想の観点で書かれていますので若干ではありますが仏教色(執着を離れること・仏教の「精進」についての説明)が入りますが、瞑想の手法の説明自体は簡単な言葉で書かれていますので初心者も安心です。

2種類の瞑想法と、苦しみの原因について説明してから歩く、座る、食事の瞑想の説明の流れで構成されているため、「どうして瞑想で苦しみがなくなるの?」という疑問を解きほぐしながら進められる内容になっています。

イラスト等は無いため、もう少しとっかかりとしての分かりやすさを求めるなら後述の

自分を変える気づきの瞑想法―やさしい!楽しい!今すぐできる!図解実践ヴィパッサナー瞑想法』が分かりやすいですが、背景の仏教的な考え方と一般的なマハーシ式のヴィパッサナー瞑想を両方学ぶのであればこれ一冊で充分です!

 

自分を変える気づきの瞑想法―やさしい!楽しい!今すぐできる!図解実践ヴィパッサナー瞑想法

自分を変える気づきの瞑想法―やさしい!楽しい!今すぐできる!図解実践ヴィパッサナー瞑想法

こちらもアルボムッレ・スマナサーラ氏が著者で構成もほぼ同一ですが、やや実践法をメインにイラスト付きで記載し、仏教の説明部分をやや簡略化した内容となっています。

スマナサーラ氏の「仏教は宗教ではありません」という思想のもと、どのように瞑想を実践することで効果を確認できるかがわかりやすく書かれた一冊。

自由に生きる

自由に生きる

表紙のデザインが好きです(関係ない)

さて、それは置いておいて、カンポン・トーンブンヌム氏と同じカムキエン氏の教えを受けた日本人上座仏教僧のプラユキ・ナラテボー氏の著書です。

瞑想法としては第七章に呼吸の瞑想と洞察方法、第八章に日本語の本としては非常に珍しい「手動瞑想」のやり方が写真付きで記載されています。

全体としてはなぜ僧侶となったか、生き方、社会参加としての仏教、戒律とはどのような効果があるか、さらには認知療法としての仏教についての対談など、一般的な仏教本ではなく、実生活の様々な局面を「仏教という哲学」をキーワードとして語る、読み応えのある内容となっています。

ただ瞑想・仏教を学ぶのではなく「生きる」ことと仏教の接点はどこにあるかを考えさせられる一冊です。

ブッダの瞑想法―ヴィパッサナー瞑想の理論と実践

ブッダの瞑想法―ヴィパッサナー瞑想の理論と実践

グリーンヒル瞑想研究所の地橋氏の書かれた本の中で、一番ボリュームがあり瞑想のエッセンスが濃く含まれているこの本をご紹介します。

瞑想の詳細マニュアルという位置づけで、在家の方がこの本に沿って瞑想が行えることを前提としているため、仏教要素は必要最小限にとどめ、瞑想時に発生しがちな質問を先回りして回答するような丁寧な説明がされています。

特徴は「心」の発生する仕組みやヴィパッサナー瞑想での「心」の見方など、心のメカニズムを中心に瞑想の理論を説いている点です。

真面目に瞑想に取り組む方をターゲットとしている性質上、他の書籍に比べて本としての面白みは少ないですが、確実に瞑想を進めたい方にはおすすめです!

 「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方

「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方

さて、比較はここまで。

最後はこの1冊で締めくくりたいと思います。

この本の著者、カンポン・トーンブンヌム氏は24歳の時に全身不随となった後、カムキエン氏の教えに出会いタイのスカトー寺で暮らし、ティエン・チッタスポー氏の流れをくむ、身体の動きを観察する瞑想を実践されています。

貧しい子供時代を過ごし、努力に努力を重ね体育教師となったのもつかの間、事故により全身不随に。

身体がほとんど動かなくとも可能な呼吸の瞑想を通して、より心を静めるために仏法に求める中でカムキエン氏に出会います。

どんなに身体に恵まれていなくとも瞑想は出来ること。

また日々の瞑想の中でつかんでゆく一つ一つの「気付き」がとても具体的に書かれていて、1人の瞑想の実践者としては心強い励ましを頂いた気持ちになりました。

著者への色々な質問と答えもまとめられていて、実践中の悩みへの良いアドバイスとなっています。

瞑想時の心の支えとしておすすめです!*1

「すぐ検証できる」「理論がオープンにされている」ものを選びましょう!

マインドフルネスや瞑想の一番いいところは、テーラワーダ仏教というか、ブッダの最初の教えから共通している
「信じてはいけない。自分で確かめて、疑わしいと思ったら捨てて構わない」

「隠している秘密は何も無い」
という姿勢です。

なので興味のある方は、

  • 「すぐ検証できる」
  • 「理論がオープンにされている」

本を選べば基本的に間違いはありません。上のレビューも参考になれば幸いです。

以上「すぐに使える・選ぶ参考になる!マインドフルネス・瞑想関連本10冊レビュー!」でしたー

本日のレビュー10冊おさらい(:特におすすめ)
  1.  始めよう。瞑想:15分でできるココロとアタマのストレッチ (光文社知恵の森文庫)
  2. ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門―豊かな人生の技法
  3.  ~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門
  4. グーグルのマインドフルネス革命―グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス(付録:マインドフルネス実践ガイドCD)
  5. ブッダが教える「生きる力」の育て方 子どもとできるマインドフルネス瞑想
  6. 自分を変える気づきの瞑想法【第3版】: ブッダが教える実践ヴィパッサナー瞑想
  7. 自分を変える気づきの瞑想法―やさしい!楽しい!今すぐできる!図解実践ヴィパッサナー瞑想法
  8. 自由に生きる
  9. ブッダの瞑想法―ヴィパッサナー瞑想の理論と実践
  10. 「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方

 

*1:なお、この記事の作成中にカンポン・トーンブンヌム氏が2016/4/23に息を引き取られたとのニュースが入りました。ご冥福をお祈りいたします。