仕事や人生から最大の収穫を得るには、できるだけ的をしぼることだ
一つの達成が、次の達成の鍵になる生き方
妻に薦められて『THE ONE THING』を読みました。
私も妻もワーキングメモリが人よりは少ない方です。複数人が常に会話しつつ共同作業している職場ではほとんど役に立たないレベルです。
ところが『THE ONE THING』は「一度に一つ」しか作業が出来ない特性を「強み」に変える可能性を持っています。
それは一つの達成が、次の達成の鍵になる生き方を教えてくれるからです。
マルチタスクが苦手という方はぜひお読みください。人生観が変わるかもしれません!
最初は5センチのドミノが、57番目には月まで届く
この本は一言で言うと
「成果の連鎖反応の重要さ」を教えてくれる本です。
その上で、他のレバレッジを説く本との大きな違いは
「その場限りでなく、最終目標を大きく、具体的に持ちなさい」
と説いている点です。
ドミノを例に出して説明していますが、前のドミノより1.5倍の大きさのドミノを倒せるドミノがあるとすると、月まで届くドミノを並べるには何個必要だと思いますか?
月まで届くドミノですよ?
なんとたったの57個です。
先頭のドミノを見極め、それが倒れるまで強打する
はるか遠くの月まででも57回のドミノで辿り着けるということは、その最初のドミノをどれにするかを吟味し、叩き続けることが如何に重要かということを教えてくれます。
ケンタッキー・グーグル・マイクロソフト・・・
色々「オンリーワン」で世界を制覇した企業が出てきますが、これらは全て
- 全てのものは等しく重要ではないこと
- 「パレートの法則」のように求めるものの大部分はあなたの行為のごく一部によってもたらされること
を教えてくれます。
法則をつきつめ「一点突破」する
ですが、個人の持てる資源(気力・体力・財力・・・)は有限です。
なので、著者はさらに以下のポイントをおさえ「普通のやり方」では超えられない壁を一点突破して、より高い目標の達成へ辿り着けるようアドバイスします。
- 成功した法則をさらにつきつめる
- 不必要な作業は徹底的に「ノー」ということ
- マルチタスクで「注意散漫」にならないこと
- 自分にとってもっとも必要な規律だけを身につけること
- 有限な意志の力を使うタイミングを見極めること
- 最初に大きな全体を考えること。大きなイメージは活動を広げ、人生を豊かにする
これはある意味「徹底して余計なことを考えない」戦略ですね。
ちょっぴり小池龍之介さんを思い出しましたw
まずリラックスして、大きな展望と今の一歩を両方質問する
ここからは実践編ですね。質問の作り方を教えてくれます。
的をしぼる質問が
それをすることで他のすべてがもっと容易になるか
不必要になるような
私ができる「一つのこと」は何か?
一つのことを探す質問は「大きく、具体的に」する必要があります。
つまり
- 目標を高く
- 具体的な範囲・制限を付与する
することで大きな展望としての「一つのこと」と今現在の私としての「一つのこと」を同時に問うていきます。
アリの目と鷹の目、という言葉を思い出します。両方の視野がバランスよくなければ、物事はうまくいかないということですね。
人生の各分野に、最高の「可能性」へ導く目標をおいていく
この方法は人生のどの分野にも応用が利きます。
できること・努力すればできることという個人の枠内に収めずに、
周りをフルに活用した場合、可能性のあるものを目標とすることで
人生の範囲が広がっていくと著者は説きます。
これは確かに仕事上でも痛感します。自分一人の成果は高が知れています。
素晴らしい成果は周りの協力無しには決して成り立たないこと、これを常に念頭に置くためにも「可能性のあるもの」を目標とするのはいいことですね。
見える成果は「目的」「優先順位」が現れた結果
これも忘れがちですね。あくまでも成果は氷山の一角です。
目的が優先順位を決め、優先順位が生産性を決める
土台がしっかりしていないと、生産性は決してあがりません。
目標を進めていく中で幸福が生じてくるもので、結果はおまけ。
目標をドミノにして、月まで届かそう!
最後に、目標をドミノのように連鎖させるために必要なヒントをいくつか教えてくれます。
- 1つのことに1日充分な時間をあたえ、その鎖が途切れないようにする
- 充分な時間をかけ対象の分野に熟達する
- チェーンソーを探しに行く
- 結果は自分の行動の責任と引き受ける
- 必要の無いことはノーという
- 周囲の事情に振り回されない
- 不健康な習慣を絶つ
- 同じ目標をもつ人々、場所にいく
個人的にはチェーンソーの例えと かみはバラバラになった!
周囲の事情に振り回されないという点がためになりました。
心配性なので、つい不測の事態を考慮した計画を練ることが多いのです。それに割いている時間を一点突破にあて、万一困った場合は
正しく周囲にお願いする
これが正しいのかもしれません。
マルチタスクの弊害は、思考の切り替えに時間を捨てていることだ
特にADHD特性を持つ人などは脳レベルで思考の切り替えに時間がかかります。
集中時間を1日4時間など無理のない範囲に設定し、「なすべきこと」だけに取り組むことで大きな成果を望める生き方に変えていきたいですね。
以上、『THE ONE THING』のレビューでした!
- 作者: ゲアリー・ケラー,Gary Keller,ジェイ・パパザン,Jay Papasan,門田美鈴
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/01/22
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