今までの芦名野さんの作品が別の世界だとすると、これは今の世界の枝道のような話。
比較的現代社会に近い(でもパソコンとか情報機器は全く出てこない)舞台で、「すーちゃん」が5分程度、普段と異なる視点を見る話。
空気や時間をそのまま描いているかのような表現はそのままに、私の住む世界と距離が縮まった、でも繋がっていない内容になっています。ほんとに5分程度「見え」ない限り。
感覚的にとても近くに来るのに、どこか断絶している、この絶妙な距離感は芦名野さんの作品でしか今のところ味わえないと思います。
ストーリーとかは相変わらず殆ど皆無(登場人物の関係性があるぐらい)なので、ある日ふと終わっていても不思議ではないのですが、次の巻が読めるととても嬉しいです。