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日常の知恵が足りないと常々感じております。
具体的にはつい先日の朝、下の息子に「八つ橋」をあげようとしたところ、上の息子に
「ぶつぶつ出ないか確認しないとダメー!」
と怒られました(ノД`;)
(下の息子は卵と乳の食物アレルギー持ちです)
八つ橋の味的に上の二つは含まれていないだろう・・・という推測はあったのですが「新しく食べる加工食品は成分表を確認するまで信用してはいけない」という基本的なルールを守っていない点でアウトでした。
よりリスクの少ない行動はどちらか?というのを瞬時に判断できていませんでした。
このような「知恵の無さ」はどうして発生するのでしょうか?
知恵が出るようにするために「メタ認知能力」を鍛えよう
それは
- 自分の行動がどのような意味を持つのか充分に把握していない
- どのような行動をするべきかの選択肢のストックが充分ではない
ために発生します。
自分の行動がどのような影響を及ぼすかをその場で判断し、複数の選択肢の中から最善の行動を導き出すには
- 認識内容を評価する質の良い判断材料を沢山持つこと
- 自分の認識内容を客観視すること
が必要です。
これは前者がメタ認知能力の「メタ認知的知識」、後者が「メタ認知的経験」と呼ばれている内容です。
よって、今回はもっと知恵が出るようにするために「メタ認知能力」をどのようにすれば鍛えることが出来るかを、他のサイトで紹介されている内容に加えて瞑想の実践の観点から自分用にまとめてみました。
改めてメタ認知能力とは何か
メタ認知能力は「自分の思考や行動を客観的に把握して、認識する能力」とされています。
近年コミュニケーションへの応用で注目されていますが、もともと発達心理学や教育心理学の分野でよく扱われてきた用語です。
「答のある」定型的な問題だけではなく、「回答の出ていない」非定型的な問題に立ち向かい、解決するには「自分自身の思考内容を把握し、調整し、評価する」力を養わないと対応することが出来ないことから研究されていました。
さらに記憶に関する認知活動や行動の把握をメタ記憶といいます。
自分の知識に特定の事柄が含まれるかの記憶であるため、新しい言語習得などに深く関連しています。
さらにメタ認知能力は「メタ認知的知識」「メタ認知的経験」にわけられる
Flavellというメタ認知という言葉を始めて用いた方が、既にメタ認知は知識とそれ以外に分類されることを述べられていますが、三宮さんによると、さらに以下の分類が出来るとのことです。*1
- ①メタ認知的知識
- 人変数に関する知識
- 自分自身の持つ能力を比較しての知識
- 異なる個人を比較しての知識
- 人一般に関する知識
- 課題変数に関する知識
- 課題の性質が認知活動に及ぼす影響に関する知識
- 例)哲学書を読んで理解するほうがチラシを読んで理解するより時間がかかる
- 方略変数に関する知識
- 方法の性質が認知活動に及ぼす影響に関する知識
- 例)全体に対する特定の要素の割合を視覚的に分かりやすくするには円グラフが有効だ
- ②メタ認知的活動
- モニタリング
- 把握:何が起こっているか確認する
- 評価:メタ認知的知識を元に今の状態をラベリングする
- 予測:評価を元に結果を想像する
- コントロール
- 目標設定:今の状態を元に目標をどこに設定するかを決める
- 計画:目標を実現するための計画を立てる
- 修正:今の状態が目標から外れた場合に軌道修正する
なお、ワーキングメモリもメタ認知能力と深く関連
メタ認知能力は認識することによって調整する能力なので、認識時に障害が発生すると調整もうまくいきません。
そのため、認識内容の保持と処理を行うワーキングメモリが低容量の場合、必然的にメタ認知能力も低下することとなります。
発達障害の方でメタ認知能力にあたるセルフモニタリングが出来なかったりするのはワーキングメモリの不足も原因の1つなのかもしれません。
このあたり研究がなされているようなので、もっと具体的な内容が分かるといいですね。
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メタ認知の内容を踏まえて、瞑想実践で補えない部分を生活習慣で補って改善しよう
自分自身の状態を客体視するのはヴィパッサナー瞑想では必須の作業ですので、瞑想の実践は必然的にメタ認知能力の中でもメタ認知的活動、「モニタリング」部分の「把握」を強化することになると言えます。
また、観察対象を継続してチェックすることはメタ認知的活動「コントロール」部分の「目標設定」「修正」に該当するトレーニングを行っているのではないでしょうか。
そうすると、残りの
- メタ認知的知識
- メタ認知的活動の
- 「評価」「予測」
- 「コントロール」の「計画」
をトレーニングする改善リストを実施できれば、効率的にメタ認知能力を強化できそうです。
というわけで、あちこちでおすすめされているメタ認知能力の改善方法を整理して「生活習慣改善リスト(案)」を作ってみました。
生活習慣改善リスト(案)を作ってみたよ
メタ認知的知識
人変数~「自分自身の持つ能力を比較」の改善対策リスト
①:得意なこと、苦手なこと、やりたいこと、嫌いなことを書き出す
②:過去の自分の行ったこと、結果を可能な限り客観的に書き出す
③:さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
など外部サービスを活用し、特性を客体化する
④:知能検査(WAIS-IIIなど。公的機関を利用すれば受けられます)を利用し、数値化する
⑤:①~④を比較する。「ジョハリの窓」 *3をイメージ。
※常に自分の行動を客観的に眺める。
人変数~「異なる個人を比較」の改善対策リスト
①:特定の話題に対し、複数人の意見を聞き、比較する
②:同一内容について書かれたニュース、情報を比較する
人変数~「人一般に関する知識」の改善対策リスト
①:異なる領域、分野、難易度の本、ニュースに触れる
②:教育、心理、脳科学、哲学、宗教などの本を読み、人の心の働きについての用語、概念を豊かにする
課題変数の改善対策リスト
①:「今、自分は何をしようとしているのか」を常に意識する
②:対象について「自分が知っていること」「知らないこと」を整理する
方略変数の改善対策リスト
①:課題に対して自分が知っている対処方法と、メリット・デメリットを整理する
②:知らない方法を見たときに一歩踏み込んでメリット・デメリットを確認する
③:ブログなど、人目に触れるところにまとめる作業を行う
メタ認知的経験
モニタリング~「把握」の改善対策リスト
・twitterなどで自分の状況を書き出す
・自分の身心の状態を確認する
※状況、感覚、思考をそのまま捉えて表現する。推測しない。
・怒ったり過集中になることを避ける
※とにかく対象と一体化しないで、作業している自分を把握するようにする。怒りも過集中モードもその間「把握」が正常に行えなくなるため、必然的にコントロールが出来なくなる
モニタリング~「評価」「把握」の改善対策リスト
・把握内容、評価結果と反応を図や表で視覚的に表現する
※評価、予測ともに因果関係が明確になるように記載する。自分の主観と客観的に提示できる知識をふるいわけ、視覚化できるようにするのが狙い。
コントロール~「目標設定」の改善対策リスト
・行動前に「具体的な目標」を決める習慣をもつ
例)3つの提案のうち、最低Aは承諾してもらうこと。
コントロール~「計画」の改善対策リスト
・一日の目標と、目標と自分の能力を考慮した「一日の予定」を立てる
コントロール~「修正」の改善対策リスト
・予定を見直す習慣をつける
・「振り返り」の時間帯を設けて、自分の知識と現実の差分を修正する
作ってみての感想
こうしてみると「自分の心身の状態を確認する」「怒ったり過集中にならない」など瞑想の心構えに近い方法がいくつかありますね。
色々なサイトでも提示されていましたが、やはり外部に分かりやすい形でアウトプットすることで、自分自身でも、また他者からも適切なフィードバックを得られるため「関連を明確にして図・表にする/文字にして示す」というのは欠かせないなと思いました。
一方で、インプットとなる知識の取得方法はいくつか書かれているサイトがありましたが、先入観、憶測による誤知を防ぐ心構えというのはもっと前面にアピールされても良いように思います。
メタ認知的知識の積み重ねの上に、メタ認知的経験が働いています。
そう考えると、日々何気ないことの確認1つ1つをなるべく正しく積み重ねていくことが長期的にみてもっともメタ認知能力の改善に繋がるのではないでしょうか。
以上、メタ認知能力の改善について考えた結果をまとめてみました。
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