「読経」「瞑想」「規則正しい食事」の3点セットがもたらす効用
健康で長生きしている人が目立つのがお坊さん。超高齢でも毎日お勤めしている方も大勢いらっしゃいます。もちろん病気はかかるときはかかるのでしょうが。
世間には色々な健康法がありますが、安定して長生きできる秘訣はお坊さんの3点セットともいえる
- 読経
- 瞑想
- 規則正しい食事
によるところが大きいのではないでしょうか。
読経:インプットとアウトプットを同時に行うことで脳の記憶や学習、感情を司る「前頭前野」を鍛える
まず読経ですが、目で経典を追い、口で唱え、耳で音を確認する(+αで木魚などを叩くケースもありますが)いわば「音読」です。
音読は意識や感情の統合、コントロール、ワーキングメモリーに関連の深い「前頭前野」の血流を増すことで知られています。
脳の血流が増えるという意味では運動も効果的ですが、前頭前野の脳波という点で比較すると運動より音読の方がβ波の発生率が高まるようです。
参考:CiNii 論文 - A-9 運動と音読の行動時の左右前頭前野の脳波の違い
前頭前野は老化に伴って最も早く劣化するとも言われている部位。
毎日の読経の習慣は脳機能の維持に大きく貢献していることは間違いないでしょう。
瞑想:自律機能、情動、認知と深い関連性がある箇所の脳組織の面積を増大させる
日本では瞑想を実践しない宗派もあるため一概に含めちゃっていいのか、という話もありますがとりあえず実践する宗派は多いということで。
以前の記事でも触れましたが、瞑想は脳組織の面積を増大させることが分かっています。
瞑想は左中心前回、右紡錘状回、右楔状部、両側前方背側島などの自律機能、情動、認知と深い関連性がある箇所の脳組織の面積を増大させることが分かっています。*1
脳皮質の薄さが機能障害に相関性があることは知られているため、面積の増大は器質的に自律機能、情動、認知機能を高める可能性は高いでしょう。
規則正しい食事:糖代謝の効率を高めるオレキシン神経の活性化
大昔であれば1日2回。現代では宗派によりますが、食事の時間は厳密に決められている所が多いですね。
決まった時間に良く噛んで食事をすると、オレキシン神経と筋肉での糖代謝を活性化することが明らかになっています。*2
このオレキシンは肉食動物が餌を捕獲する時や、人がスポーツを開始する時などの強い動機づけを伴う行動において活性化するもの。
粗食であってもハイパフォーマンスを保ちたければ、常に規則正しく食事をするのが効果的ということですね。
まとめ
読経+毎日少しずつ瞑想。
その上で規則正しい食生活を保てば健康にとっては理想的ですが・・・俗人としては英会話の教材とか、何か暗記したいテキストを読み上げるのが現実的かもしれませんね。